~第2回 始まった大学院での留学生活~
芦田 雄太さん
留学先:バーミンガム大学 留学分類:大学院留学 専攻名: MA International relations(with specialist pathways) 留学期間:2018年10月~2019年10月 beoの留学サポートを利用して留学
今年からバーミンガム大学の修士課程、国際関係学コースへご留学されている芦田さんから、現地レポートが到着!
今回は留学の始まりで感じたことや授業の様子、ご友人関係などをとても詳しくお伝えしていただきました。どのように大学院の授業が進むのか、また、皆さん気になっているであろう「海外で友達はできるのか」問題を、芦田さんはどのように解決したのか?海外大学留学をお考えの方は必見です。ぜひ最後までご覧ください。
こんにちは!
イギリスでの生活もあっという間に1ヶ月が過ぎてしまいました。9月の下旬に到着した当初は暖かい日も時折ありましたが、最近は秋空から冬空に徐々に変わってきたように感じます。晴れていてもだいぶ冷えるので友人と外でご飯を食べることも少なくなりました。
さて、今日はバーミンガム大学での学校生活や授業の様子について書きたいと思います。
学生寮・キャンパスに関して
私の学生寮は Vale village という大きな湖を有する学生村にあって、大学まで徒歩10分~15分の場所に位置しています。
本当に綺麗な学生村で、広大な敷地に緑豊かな自然があり、休日には白鳥を眺めながら湖の辺りを散歩すると気持ち良いと思います。
大学の敷地は本当に広くて Vale の他にも学生村が2つほどあり、多くの学生が学生寮に滞在しています。
キャンパスの中心には世界最大級の時計塔(愛称オールド・ジョー)があるのですが、この時計塔、夜になると紫色に光り輝きます。。不気味です。一方で、昼間は晴れていると芝生が青々と輝き、芝生の青さと赤レンガの建物のコントラストが映え非常に美しいです。
(左:同じコースの友人とOld Joe)
バーミンガム大学のキャンパスは本当に美しく、入学初日はその迫力に圧倒されました。建造物のほとんどが赤レンガでできていて、イギリス国内の赤レンガ大学群の一校に数えられています。
ただ、このような伝統的な建物の中にも、数年前に完成したばかりの巨大な最先端図書館もキャンパスの中心に併設されており、大学側が学生の勉強する環境を整えるために投資を惜しまないという姿勢が伺えます(この図書館24時間7日営業です)。
勉強に関して
学校側の問題もあり履修が確定したのが先週で、ようやく全ての授業がしっかりと始まりました。
私のコースは International Relations[IR] というコースで主に国際政治を中心に学んでいます。
私はもともと難民問題を勉強したくてイギリスにきたのですが、
この難民問題とは非常に学際的な問題で一つの分野に収まる問題ではありません。
自分の今までの実務経験から、難民問題は非常に政治色の強い問題であるということは認識していて、国際政治は絶対に勉強したいと考えていました。
ところが、国際政治を勉強するとなるとどうしても理論中心の授業しか提供していない大学が多いのが現実です。Realism, Liberalism,Critical theory など、知識として必要なのはわかっているけどもうちょっと難民問題に関する実践的な勉強もしたいと考えていた私は、イギリスの大学のシラバスを血眼になって探していました。そして、バーミンガム大学のシラバスを読んでいて、IRのコースで他学部履修ができるということがわかりました。
バーミンガムは非常に多くの授業を開講していて、Social Policy の学部に Migration, Superdiversity, Policy and Practice という授業を見つけ、飛びつきました。この授業はまさに私が勉強したかった難民の定住・再定住に関連する「移民政策・難民政策」を学ぶことのできる授業でした。実際にこの授業を受けてみて感銘を受けました。授業はバーミンガムの移民・難民受け入れの歴史に始まり(バーミンガムはイギリスの中でも特に移民・難民の受け入れによって発展してきた地域です)、イギリスの移民政策の変容などを中心に勉強しているのですが、政策レベルの勉強ばかりではなく、
実際にバーミンガムの難民支援NGOを訪問、第一線で支援活動している専門家を講師として招き授業をするなど非常に興味深い授業を行なっています。
私が Term1(秋学期)で履修する授業は4コマです。
1 : International Relations Theory
2 : Globalization and Governance
3 : Terrorism and Political Violence
4 : Migration, Superdiversity, Policy and Practice
授業は基本的に Lecture 1時間+ Seminar 1時間の計2時間で構成されています。
Lectureでは教授からの一般的な講義、Seminar では学生同士のディスカッションという具合に、1コマの中でインプット+アウトプットをするという非常に効率的に授業が構成されています(全部の授業がこの構成というわけではありません)。
授業とディスカッションは内容さえ把握できていればそんなにつまずくことはありませんが、一番大切なのは毎授業で課される膨大な量の予習(リーディングリスト)をいかにこなすかです。毎回全ての授業で山のような課題、授業によっては専門書500ページ×3冊全て読んでくるようにと指示される授業もあります。
(毎週ハリーポッターの全巻、内容を把握するイメージでしょうか)。
チャプターを指定される場合も多いですが、それでも週に目を通す専門書・エッセイの数は20冊近くになります。自分の理解を深めるためにはこれら全ての予習を毎日確実にこなす必要があり、
授業が始まる前にはこれらの予備知識を頭に叩き込んでおかなくては Lecture は乗り切れても、Seminar で議論になりません。
授業ははじめてのことを叩き込む場所ではなく、
自分の今ある知識を武器に理解を深める場所なのだということを最初の週で学ぶことができました。
友人関係・課外活動に関して
今後これからイギリスに留学を考えていらっしゃる方々の中にもはじめての海外生活などで不安を感じている方々も多いかと思います。その中でも友人関係というのは留学生活をより有意義にするためにも必要不可欠なものです。
バーミンガム大学では無条件合格通知を出した学生に対して、積極的に WhatsApp や Facebook の(寮・学科などの)学生コミュニティに参加することを推奨していました。私も留学の前から学科のWhatsApp グループに参加して事前に同じ学科の友人たちとコミュニケーションをとっていたので、
入学初日から多くの学生とランチをしながら情報交換
をすることができました。
そしてその多くが、やはり同じ学科であり、履修している科目が同じなので、入学初日から毎日のように一緒にいるメンバーになりました。国籍は多様で、イギリス・アメリカ・フィンランド・ドイツ・ナイジェリア・トルコなど、私は同じ学科で日本人の方にお会いしたことはありませんし、比較的アジア人が少ない印象を受けます。
タイトなスケジュールの中でも、このような多国籍な友人とパブやシティセンターに行き、休日に羽を伸ばすことで心のバランスをとることができているので、一緒にいてくれる友人たちには感謝しています。
そのほかにも課外活動にも何度か参加しました。バーミンガムには Model UN society や Model NATO(これは政治学部だけのスタディトリップだったような気がします) という課外活動があって、日本でいう模擬国連のような活動になります。私の学部の学生は政治学部ということもあって、多くの学生が将来的に NATO/UN/Government sector/NGO での就職を希望しています。友人に引きずられる形で参加したのですが、トピックにあまり関心が持てず今後は参加しないかもしれません。笑
イギリスのいくつかの大学は Model UN を設置していると思うので、そういったことに関心があれば課外活動を大学選びのポイントにされても良いのかもしれません。
長くなりましたが、来月から評価対象となる課題がバンバンあるのでなかなかブログを更新するのも難しいと思うので詰め込んでしまいました。
早期出願を考えている方々は今が忙しい時期だとは思いますが、もうひと踏ん張りです。私も昨年はこの時期 Personal statement の校正に励んでおりました。私は勉強をがんばります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
とてもわかりやすく、留学のご様子をレポートしていただきました。毎週ハリーポッター全巻(英語で)内容把握には驚きですよね...授業の準備がいかに大切か、芦田さんも実感しておられる通り、授業では「持っている実力を試す場」です。ここが日本の大学とは大きく違う1点です。積極的なコミュニケーションで、写真からも芦田さんが仲間とご留学を楽しまれている様子がよくわかります。詰めるところは詰めて、息抜きはしっかりとしてメリハリをつけることで、忙しい毎日を乗り切っていけるのだなと感じました。
来年度のご留学、また、2020年以降のご留学をお考えの方にとっても、有益な情報がたっぷりでしたね!ご自身の留学計画の参考にして活かしてください。
芦田さんの更なるご活躍をお祈りしています。